ツアー初日を観終えて

2012510日、私は京セラドームにいた。Mr.Childrenデビュー20周年記念のドームツアー、そのまさにデビュー日の公演。セットリストもヒット曲満載でまさにお祭り。その中に「1999年、夏、沖縄」という曲があった。

 

曲中にこんな歌詞がある。

 

いろんな街を歩き いろんな人に出会う

これからだってそれはそうなんだけど

そして今想うことは たった1つ想うことは

あぁ いつかまたこの街で歌いたい

あぁ きっとまたあの街でも歌いたい

あぁ そして君にこの歌を聞かせたい

 

その日桜井さんはこんな風に歌った。

 

あぁ いつかまた大阪で歌いたい

あぁ きっとまた京セラドームで歌いたい

あぁ そして君にこの歌を聞かせたい

 

あの時は本当に感動したなあ。「やっぱ桜井さんって神やわ」とか思ってた。

 

それから5年がたって、デビュー25周年のドームツアー、本日610日が初日。会場はナゴヤドーム

 

またまたお祭りみたいなセットリストの中に「1999夏、沖縄」が入っていた。

 

5年前のドームツアーでも歌ってたな、あの時はこんな風に歌ってくれたな、あれからもう5年か、と思いながら聞いた。

 

5年前はまだ私は大学生で、あのツアーの後に公務員試験を受けて大学を卒業して入社して異動も経験して。そんなこんなで「そして世界一のお酒を見つけました それは必死で働いた後のお酒です」っていう歌詞が今日は本当によくわかった。笑

 

今日この曲の途中で、ピアノの演奏をバックに桜井さんがこんな話をした。

 

その昔、ノストラダムスの大予言っていうのがあって1999年で地球は滅亡する、と。だから好きなように音楽をやって1999年で地球が滅亡するのを望んでた。でもそんなことは起きなくて、普通に2000年がきて、2002年というデビュー10周年の年が来た。そのころは尖ってる部分もあったから、「10周年を迎えてどうですか?」と聞かれても「日々の積み重ねです」みたいなことを言っていたし「どうせ事務所やレコード会社の話題作りでしょ」と思っていた。でもそのあと20年、25年とやっていくと、Mr.Childrenをいつまで続けられるんだろうと思うことが増えた。同世代のミュージシャンが病気になったりということもある。だから今はMr.Childrenとして音楽をできていることが本当に嬉しくて、どのライブもどの曲もどのフレーズも、本当に大切で。そして25年がたってもこうやって聞きに来てくれるみなさんに本当に感謝している。

 

前に桜井さんのMUSICAのインタビューについての記事を書いた。

Mr.Childrenが終わる時 - 書きたいことを書きたい時に書くためのブログ

 

インタビューは字面を読んだだけだし、ホールツアーで桜井さんが謝った言葉をその場で聞いたわけではない。

 

桜井さんの口から「Mr.Childrenをいつまで続けられるんだろう」なんてことを直接聞くのは今日が初めてだった。

 

涙が止まらなかった。

悲しかったのか寂しかったのか切なかったのか今でもわからない。やっぱり悲しかったのかな。本当にどんなにタオルで拭いても拭いても拭いても止まらなかった。

 

2012年からの5年間、私が少しずつ大人になっているように、Mr.Childrenも、桜井さんも5年の歳月を重ねているのだ。そんなこと当たり前のことなのに、どこかで、Mr.Childrenは永遠で、桜井さんはずっと声が出て、いつまでもドームの広いステージを走り回れるなんて思ってしまって。

 

バンドには必ず終わりがある。声が出なくなって終わるかもしれない。誰かが死んでしまうかもしれない。永遠なんてのは無い。

 

話をしたあと、桜井さんは少し泣いた。そして今日は元の歌詞のとおりに歌った。

 

いろんな街を歩き いろんな人に出会う

これからだってそれはそうなんだけど

そして今想うことは たった1つ想うことは

あぁ いつかまたこの街で歌いたい

あぁ きっとまたあの街でも歌いたい

あぁ そして君にこの歌を聞かせたい

 

同じようなフレーズが、5年前とはまるで聞こえ方が違った。

5年前は「いつかまたこの街で歌えない」可能性があるなんて考えてもなかった。

 

でも、あるのだ。もう二度とナゴヤドームで、あんな化け物みたいな体力と喉の強さのまま4時間弱も歌い続けられない可能性はあるのだ。

 

ずっとずっとずっと、涙が止まらなかった。

 

 

この曲のあと、1曲を挟んで「ランニングハイ」を歌った。

 

息絶えるまで駆けてみよう

恥をまき散らして

退きどきだと言うなかれ素人!まだ走れるんだ

息絶えるまで駆けてみよう

恥をまき散らして

 

この歌詞が本当に好きだ。この曲を発売した当時より、年齢を重ねた今の方が、桜井さんが歌う意味が増していると思っている。20年、25年経ってもまだまだ行こう。喉がつらかったらキー下げよう。いくらでも下げたらいい。いつまでも原曲キーで歌えなくていい。いちいちそんなこと言って嘲る素人なんてほっといたらいい。満足のいく声で、顔くしゃくしゃにして、首に筋浮かべながら、まだまだ進んでいこう。そして、その横にずっといたい。

 

アンコール最後の曲は、「終わりなき旅」。

「昔の有名な曲をいっぱいやったけど、過去を振り返るだけではなくて、僕たちは未来を見据えて進みたい」

 

桜井さん、25年間歌い続けてくれてありがとう。

素敵な歌でいつも優しく背中を押してくれてありがとう。

 

デビュー25周年、本当におめでとう。